絵画講評 審査員:今西 良子
お絵描き大好きという子もいれば、一年間で一枚も描いたことのない子も多いのではないでしょうか。
描くという事は、単に絵が上手になるということだけではなく創造力や発想力などいろいろな力が養われます 。
白い画用紙を前にして描きはじめようとしても何もアイデアが浮かばなければ画用紙はずっと白いままです。
しかし創造力や発想力が備わっていればどんどん形にしていけます。そして自分の描いたものを人からほめられると、それが自信となり、もっと良いアイデアを出して絵にしていきたいと考えるようになるでしょう 。
生活画において、写生ではなく見えない部分を思い出して想像するのは頭を使う作業でもあります。
最初はなかなか上手く描けなくても何度もチャレンジすることが大切です。
楽しい作品になるか考えることは国語力にも発展し、集中力や手先の器用さも備わってきます。一枚の絵を仕上げる事で様々な力を身に付けることができるのです。
さて、今年も多くの作品と出会うことができました。暑い中、根気強くがんばってくれました。
毎年の反省として書かせていただいていますが、残念だった事は『大人の手の入った作品が多い』ことです。
大人が一本の線を直して入れることで全然違った絵になってしまいます。完璧でないところが、子どもらしく目に止まるのです。
自分の思うままに描く作品に「ここが足りない」「ここはこの色の方がいい」等、親のかかり方にも気を付けなければなりません。ありのままを認め思いっきりほめることが一番のポイントではないでしょうか 。
多くの作品の中から順位をつけることはとてもむずかしい事です。
単に美しく技術の優れた作品ではなく、自分の表現方法で真剣に取り組んでいる姿が浮かんでくる作品を選びました。夏休みの生活の様子が生き生きと伝わってくるもの、子どもの心の中の感情が伝わってくるものがたくさんありました 。
一枚の絵を描く事は、単に絵が上手になることだけではなく様々な力が身に付くのです。
来年の夏の挑戦も楽しみにしています 。
MOA美術館奨励賞
3年 北本 つきみ「アメリカのねこ」
とてもかわいい猫ですね。特に目の表現がとてもいいです。
英字新聞を刷り付けることによって色に深みや変化が出てアイデアも良かったです。
奈良県教育長賞
4年 川畑 七星「にぎやかな海の世界」
海の中の美しい様子がとても丁寧に描かれています。シュノーケルを付けた人物の動きもいいです。
海のキラキラした表現も筆ではなく(スポンジでしょうか?)成功ですね。
こんな美しい海に潜れてよかったですね。
大和郡山市市長賞
1年 三橋 彩「家族で乗ったボート」
夏休みに家族旅行した楽しい様子が人物の表情から伝わってきます。
波の表現でボートの動きがわかります。湖の色もよく工夫しています。
大和郡山市教育長賞
6年 嘉屋 智希「小川の集い」
水の中の生き物が大好きなのでしょう。
ひとつひとつの形、色、動きなどよく描けています 。水草や生き物の重なりが遠近感を出しています。
根気よくがんばった作品です。
MOA奈良インターナショナル賞
5年 上村 芽生「ジンベイザメは夏気分」
美しい色彩に目が止まりました。
ハイビスカスの色彩もよく工夫しています。
海の青色の変化で深さや広さを感じることができます。
『ジンベイザメは夏気分』題名もいいですね。
書写講評 審査員:山本 高邨
MOA美術館奨励賞
6年 菊池 彩夢
作者の感想から、作品の工夫(漢字とかなのバランス)が生かされています。
氏名の文字もよく書けています。ただ名前を書くスペースも工夫してみてください。
奈良県PTA協議会長賞
6年 家城 まり
はじめての「漢字四文字」丁寧に書けているのが一番の魅力でしょう。
ただ、「国」の文字の縦画が全体としては少し太く見えて気になりました。
奈良テレビ放送社賞
5年 辻 紗季
しっかり書けています。
これだけ書けていると「界」の5画目が少し右下がりになってバランスがくずれたのが気になりました。
大和郡山市市長賞
5年 三好 朝翔
よろしいです。「光」の文字の横画が少し太くなったのが気になります。
名前も一画一画しっかり書けています。
大和郡山市教育長賞
4年 大西 颯真
「海」が特に上手です「大」の上部が少し短くなったようです。昔の書道の先生が「画数の少ない文字はむつかしい」と言っていたのを思い出します。
MOA奈良インターナショナル賞
3年 今西 絢愛
大筆の「思いやり」は上手です。小筆の部分の練習もしっかりやってください。